私の勤めていた、とある社会福祉法人の話です。私にとって初めての就職先であったその法人は、振り返るととてつもないブラック法人でした。姫路の労務相談の窓口に相談しておくべきでした。
入所施設で24時間365日、利用者様の介助が必要なため、当直という夕方から朝までの勤務があります。その法人ではなんと、丸一日勤務したその後一旦退勤した扱いで、そのまま当直の勤務に入るということがまかり通っていました。就労規則自体にはそのような勤務形態について触れられておらず、詳細については別紙という嘘みたいな抜け穴で定義されていました。また、一般的な福祉法人では「明け休み」という、当直勤務が終わった翌日は休日にするという慣例があるのですが、その法人ではそのような配慮は全くなく、当直明けの翌日に朝7時から勤務という異常なシフトによって回っていました。
そのような法人の異常性に気付きはじめたある日、事務を統括している上司から「ある先輩のハンコを事務所に持ってきてほしい、手続きに必要だから」と言われました。先輩にその旨を伝えてハンコを借り、事務所にハンコを持っていくと上司は特になんの説明もなく、さも当然であるかのように37協定に関する書類に押印したのです。
直接介助こそが仕事でありそれ以外は仕事ではないという大義名分のもと常態化していたサービス残業や、勤怠管理がタイムカードではなくハンコであること、永年勤続の報奨が有休を使う権利であることなど異常な点はいくつもありましたが、この件が決定打になり、私はその法人を辞めました。
社会福祉法人、福祉業界がすべてこのようなブラック企業であるとは信じたくありません。しかし、中にはこのように職員を全く大切にしない職場があるということは事実です。

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